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天使の楽器「リュート」




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 ~ いにしえの響きを紡ぎ出す楽器 「リュート 」~ 

 ルネサンス時代に 「 楽器の女王 」 と称えられ、
 当時のヨーロッパの人々に最も愛された楽器『 リュート 』 。



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 美しく魅力的なフォルムは文学作品の中でオルフェウスの伝説的楽器となり、
 絵画や彫刻さらに詩などの題材として、
 多くの芸術家達によって彼等の作品の中に残されています。



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 その柔らかな音色から 「 天使の楽器 」 と讃えられました。



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 リュートという名は、アラビア語で 「 木 」 を意味する
 「 アル・ウード 」 ( ar`ud ) から由来する楽器 『 ウード 』 が
 語源であるといわれています。



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 北アフリカのモロッコやエジプト・トルコ・イランなどの国々で
 今なお愛されているウードは古代ペルシャ時代に中央アジアで弾かれていた
  「 バルバット 」 と呼ばれる絃楽器がそのルーツでは? といわれています。



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 それがシルクロードを渡って中国のピパや日本の琵琶になり、
 それとは逆にアラビア半島および地中海沿岸に伝わってウード、
 さらにイベリア半島を経てリュートへと継承されていきます。



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 そうして中世・ルネサンス時代には、
 リュートはソロや他の楽器とのアンサンブルでの演奏はもとより、
 人間の声の最も理想的なパートナーとして歌の伴奏に用いられました。



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 幅広い感情や微妙なニュアンスを表現力豊かに奏でられる万能な楽器として、
 その後バロック時代が終焉を迎えるまでのヨーロッパほぼ全土において、
 あらゆるシチュエーションで人々にたいそうもてはやされたのです。



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 婚礼や舞踏会をはじめとする宮廷での祝宴、
 野外での農民達の祝祭などはまさにリュート音楽の檜舞台でした。



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 シェークスピアが活躍した英国のエリザベス王朝の宮廷では、
 詩が書けて歌をうたえてリュートが弾けることが紳士の条件であり、
 またある貴族は思い焦がれる貴婦人の気を惹こうとリュートを爪弾く。



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 かのエリザベス女王1世は、
 眠れぬ夜などにお抱えのリュート奏者の防ぎ出す繊細優美な音色によって
 眠りについたといわれています。



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 肉体を癒し、精神を沈静させる効果や、
 魔法の媚薬としての効能を、
 リュートの音色に求めたという逸話も残されています。



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 しかしながら、
 当時のリュートはその維持費がとても高価なものとしても知られており
  ( リュート 1挺、馬1頭 といわれていたようです ) 、
 それが弦の増加に伴う調弦および演奏の難しさとあわせて、
 次第に音楽史のなかから消えていった要因となったのかもしれません。

 

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 CD『天使のアリア 風の舞曲』ライナーノートより ( 高本一郎 ) 
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by ichiroluth | 2009-06-25 02:44 | 天使の楽器 | Comments(0)